第1章
独立行政法人福祉医療機構社会福祉振興事業

事業の目的と実践について

私達HOP STEP WRAPかごっまの理念は「一人一人の幸せを目指して」です。
幸せの形はそれぞれですが、ひとりひとりが元気、幸せであれば地域社会も元気
になる!そんな願いが込められています。

近年は、人と人との繋がりの希薄さが目立ってきているように感じます。
インターネット等の普及で繋がりやすくなっている一方、顔と顔を合わせる機会
は減り、語りあう場や集う場が少なくなっているように思います。知ってはいる
けど、相談する関係ではなかったり、深く語りあう仲間ではなかったりと思い、
孤立感を感じている人がいるかもしれません。

私達の団体は当初精神保健福祉の仲間で構成されていました。精神的困難を経験
している人、それをサポートする専門職や家族など。しかし、気がつくとそんな
枠はなくなっていました。職種も立場もさまざまでユニークな仲間たちが集まって
います。私達は、次項にあげるWRAPやIPSを学ぶ機会をもち、それぞれの経験した
ことを出し合っています。それを通して自分の経験が誰かの役に立つこと、誰かの
経験が自分にも役に立つことを知りました。そんな形のサポートがあるのだと気が
付きました。そして、希望の感覚が近くにあること、可能性は開かれていることを
生身の人を通して感じています。そこで、この活動をもっと多くの人に知ってもらい
たいと願い本事業で取り組みました。
また繋がりのある仲間達が立ちあげたピアサポート協会きらりの集い福岡大会
(2013)に参加すると、同じようなあたたかい場がありました。精神障がい者ピアサ
ポート育成事業から生まれたこの会は、精神的困難な体験を持つピアスタッフや
ピア
サポートの魅力などを発信しながらも、ピアとは障がいや病をもったピアのみを指す
のではなく、この集まりを一緒に作る仲間、同じ時代を生きていく仲間であるという
思いが形になっていました。また、「出会うことからはじめてみよう」というテーマ
に導かれるように、きらりの仲間達と出会い、そして「鹿児島でも開催したい、強い
ては南九州をはじめ、全国の人にも参加して欲しい!ピアサポートについてみんな
で学び深めたい」と開催の手をあげていました。まさに「はじまり」です。
そしてこの事業を通して、それは現実となります。

私達はみんなが少しでも元気に日々を生活できること、そしてそんな日常の中で
お互いを助け合い、支え合い、愛し合い、慈しみあう、そんなことが当たり前になる
社会をみんなで作っていきたいと思っています。
この事業の取組みがそうした共生の社会作りの一助になればと願います。

本事業で取り組んだもの



●WRAPの研修会
WRAP(ラップ:Wellness Recovery Action Plan 元気回復行動プラン)とは
毎日を元気で豊かに生きること、また、気分を乱すような状況への気づきを高め、
調子が乱れたときに元気に向うことを促してくれる、自分で作る、自分のための
行動プランです。普段の生活を意識的に営むことの、とてもシンプルなガイドです。


      オフィス道具箱のHP WRAPの道具箱より抜粋
      http://www1.ocn.ne.jp/~kirihara/wrap/wrap_index/
WRAPの情報
http://www.mentalhealthrecovery.com/jp/

●Peer Supportに関するスキルアップを図る研修会
 ・IPS研修会
IPS(Intentional Peer Support インテンショナル・ピアサポート)とは
  新たな可能性に開かれていくことを意図する、人と人との関わりの
在り方(関係性)と会話をめぐるものです。

      IPS「意図的なピアサポート」を考える取り組みHPより抜粋
http://intentionalpeersupport.jp/research/about.html

  ・ピアサポート協会 きらりの集い開催
    ピアサポート協会 きらりとは平成24年1月8〜9日に福岡県で
開催された精神障がい者ピアサポート育成事業の研修会で誕生しました。
 1月9日をピアサポートの日とし、年に1回顔をあわせることを続けよう。
そして、ピアサポートで新しい可能性を社会に創っていこう。その想いから、
「きらりの集い」が、毎年1月に開催となりました。2013福岡大会を皮切りに、
2014鹿児島大会、2015佐賀大会、2016広島大会、2017大阪大会、
2018京都大会・・と続いていきます。様々な立場、思想、それぞれが大切にし
たいもの。それらを年に一度は「越えて」集まる。きらりは、さまざまな考えの人
が集まれる機会を創ります。そして、ピアサポートの可能性を開いて行きます。

         

目次

第1章

  事業目的と実践について

第2章

WRAP(元気回復行動プラン)
研修会

1. WRAP集中クラス

   (1)平成25年10月開催

    ファシリテーターの声01

   (2)平成26年 2月開催

2. WRAPワークショップ

第3章

Peer Supportに関するスキルアップを図る研修会

1. IPS(インテンショナル・ピアサポート)
1日(支援者向け)研修及び2日間研修

2. ピアサポート協会きらいの集い

第4章

事業を振り返って

そして未来へ!

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