第2章
WRAP集中クラス
日時:平成25年10月13日〜14日
場所:鹿児島市精神保健福祉交流センター(はーとぱーく)
参加者:9名
2日間の集中クラスでは、当事者の方や援助職、会社員、自営業の方など年齢も立場も
様々な方が参加されました。
最初はみんな、ドキドキします。その心境をチェックインで告げることで、自分だけでは
ないと会場の緊張がゆるみます。
そしてこの場が全員にとって学びの場になるように、「安心のための合意」を作成します。
安心してこの場に居ることができ、発言できるように。1人1人が自分のために、必要な
ことを伝え、それをその場にいるみんなで共有します。
そして、「メンタルヘルスリカバリーに関する価値と倫理」を音読します。ファシリテー
ターが大事にしていること、WRAPとはどんな理念が根底にあるのかを知ってもらうことで、
自分も他人も肯定し尊重して、お互いに協力し学ぶ合うことにつながりました。
1日目は、リカバリーにとって大切な5つのこと、「希望」「主体」「学ぶ」「権利擁護」
「サポート」について、話し合います。発言は準備ができた人から、それぞれのペースを
大切にします。発言は、模造紙に書いて張っておくので、いつでも確認することが
できます。
2日目は、「元気に役立つ道具箱」これがあると元気になる、という事を出しあいました。
「日常生活管理プラン」「引き金になる出来事に対処するプラン」「注意サインに対処する
プラン」「調子が悪くなってきている時のプラン」「クライシスプラン(緊急状態への対応)」
「元気回復行動プラン(緊急状態をだっしたときのプラン)」とは、自分にとってどんな状況
だろう、ということを話し合います。
そして、それぞれの状況でどの道具を使うかを、具体的に入れていき、自分だけのプラン
を完成させます。これも絶対ではなく、作るのも作らないのも、自分で決めます。
「こんなことを考えているのは自分だけ?」「笑われないかな」「受け入れてもらえるかな」
という不安や居心地の悪さも自分の中にあると認め、他の人も同じように感じていたり
すると気づくこと。それぞれが、それを乗り越えるチャレンジをしていました。
参加者の方々の感想としては、「気持ちが暖かくなりました」「病気を活かすという体験を
初めてしました」「いろんな人々の体験を聞いて、自分の中の考えが広がりました」「まだ
もやもやしているが、これからも考えていきます」「帰ってから、主治医や仲間に内容を
報告したい」「自分たちもやってみたい」
参加者はもちろん、ファシリテーターやサポーターにとっても学びの場となるWRAP。
ファシリテーターとして活動する仲間が増えることを願っています。